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卒後1年目薬剤師の小林友稀です.

今日紹介するのは画像読影の参考書です.

画像読影なんて薬剤師に必要なのか?なんて思う方はもう最早,このブログなんて読んでいない事でしょうから説明はいりませんね(笑)




胸部画像の読影の基礎が学べる1冊です.

まず本当に基礎的な胸部X線の仕組みから始まっているので,胸部X線なんてちゃんと見たことないよ!って方でもスムーズに学習に入ることができます.

ぼくも大学ではそこまで詳細にやることはなく,基本的な画像撮影の仕組み,基礎的な読影を勉強しただけなので,全く深い知識はありませんでした.

X線写真が写る仕組みから始まり,そこに写っているものから何をどう拾い上げ,そしてどう評価していくのかまで詳細に解説してあります.

また,胸部画像の読影を通して,肺の解剖に強くなれるという副次的な効果があります.

立体を意識して解剖を考えられることは,薬剤師にとってとても大切なことで,それは正確な病態の判断につながり,正確な病態の判断は最適な治療へとつながるからです.


おそらく薬剤師として働いていて,病院で勤務している薬剤師でなければそうそう胸部画像の読影をする機会は無いと思いますが,それでも今回この参考書を取り上げて,薬局薬剤師にも学んで欲しいと思ったのは単に胸部画像を読めるようになるためだけではありません.

肺の解剖を立体で考える力を身に付け,そこに疾患があるとどのような変化を起こすのか.そして治療からのアプローチはどう考えればいいのか.

そういった3Dの視点で解剖,病態,治療を継続した目線で考える力が,薬剤師にも必要だと思ったからです.


我々が普段投薬している患者さんの体内ではどんな変化が起こっているのか.それを知りながら治療を考えられる薬剤師と,単に薬しか見ていない薬剤師では気付けるものも違うし,その薬物治療には天と地の差がでることでしょう.

病院薬剤師であれば業務に直結する大切な知識となるでしょうし,薬局薬剤師も疾患を字面だけで理解している段階から3Dで考えられる柔軟な発想ができる段階へとステップアップできることでしょう.

より良い治療を,より安全な治療を患者さんへ提供するために,こういった知識も必要なんだと痛感できる良書でした.
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