「考える腎臓病学」を読んだ感想
卒後3年目薬剤師の小林友稀です.薬物治療を考える時に,腎機能について考えることは必須です.
多くの薬が腎臓から排泄されますし,高齢者では腎機能が低下している事がほとんどですので,用量の調節が必要だったりします.
腎臓について,その正常機能,病態生理が分かっていないと,根本的な疾患の理解は難しいですし,疾患を理解できなければ薬物治療も考えることができません.
そこで今日は,腎機能について教科書レベルから学べる1冊を紹介します.
基本的な腎臓の構造,機能から,電解質の評価の仕方,それもナトリウム,カリウム,リンなど1つ1つが丁寧に解説されています.
この本の評価すべきポイントは,単なる基礎を復習できる教科書に留まらず,基礎知識を,臨床で活用する方法もしっかり学べる点です.
薬学生であれば良いですが,やはり臨床に出ている薬剤師としては,いくら基礎知識を身につけても,それが臨床で使えなければ,ただの頭でっかちになってしまいますね.
その点,基礎となる腎臓の解剖,生理,機能から病態の理解へと繋がるように順序立てて記載してある本書は,基礎から臨床まで一通り勉強しやすい構成と言えます.
また,「考える腎臓病学」の名の通り,単なる知識の暗記ではなく,学んだ知識をつかって,目の前の病態を考える力を身につけることができます.
これが最も大切なことですよね.
せっかく覚えた知識でも,それを臨床で活用できなければ「身につけた」とは言えません.
本書は,しっかりと知識を覚える勉強もできて,それを臨床へ適応することで,知識を「身につける」方法も学ぶことができます.
学生から薬剤師まで,どのステージで読んでも得られるものが多い良書だと思います.
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