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カテゴリ:薬剤師の日常

健康サポート薬局研修に参加しました

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卒後6年目薬剤師の小林友稀です.

先日,健康サポート薬局の研修を受講してきました.
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2日間かけて行うもので,1日目はzoomによるオンライン研修,2日目はリアルでの集合研修です.主にSGDで来局者へのOTC対応を学ぶという内容です.

OTC対応の基本は「受診が必要な疾患」か「OTCで治療可能な疾患」かの鑑別です.これは薬剤師によるトリアージと位置付けられています.

この鑑別には症候学や診断学の知識が必須となります.ぼくは6年制課程の7期生だったので,大学教育の中でみっちり症候学も診断学も叩き込まれた世代ですが,それでも勉強になる有意義な研修でした.

模擬症例は「鼻水を主訴に来局された患者さん」でしたが,いわゆる風邪症候群やアレルギー性鼻炎などのCommonな疾患から,見逃してはならないRed flagである粘液性や膿性,血性の鼻汁では感冒症状の有無も加味して歯性上顎洞炎や副鼻腔真菌症,鼻・副鼻腔腫瘍まで幅広い鑑別疾患を皆で挙げて,それぞれ対応法を検討するというものです.

受診勧奨とする場合でも,単に「病院に行ってくださいね」で終わらせずに,医療機関宛に現在の症状や状況,併用薬,既往,副作用歴,アレルギー歴も含めて情報提供書を作成して繋げるように対応する,というのは素晴らしい取り組みだと感じました.

どうしても現在の仕組みでは,OTC対応とする=薬を売らなければ利益にならない構造なので,受診勧奨とした場合に,医療機関宛の情報提供書を作成してお渡しすることに何らかのフィーが欲しいですね.

ぼくは薬局薬剤師によるOTCやBPC(Behind the pharmacy Counter)を用いたMinor Ailements診療がもっと普及することこそ,増大している医療費の削減に大きく貢献できると考えています.自薬局の体制も見直してみたいと思います.

【告知】zoom研修会で講演します!
・日時:2023年10月31日(火)19:30~21:15
・場所:zoomウェビナーによる配信
・内容:「糖尿病概説/リベルサス症例検討」
・対象:日本全国どこからでも,どなたでも視聴OK
・もちろん日薬研修単位つき!(1単位:PECS申請済み)
・視聴登録はこちらから!
  →https://us06web.zoom.us/webinar/register/WN_Tpkh-dcXQyiNgGev7lWulQ

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当ブログは薬剤師や医療従事者を対象にしたものです.ブログ内容の多くは,理解するために基礎的な薬学,医学の知識が必要です.知識不足による誤解や曲解には当ブログは責任を負いません.提示している症例は,実際にあった症例を基に教育的要素を付加した模擬症例です.また個別の相談や症例相談には応じられません. ご了承ください.その他,ご意見・ご感想は,ブログのコメント欄にお願い致します.

【日薬研修単位付き!】zoom研修会で講演します!

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卒後6年目薬剤師の小林友稀です.

地域薬剤師会で学術の仕事もしているのですが,この度zoomウェビナーを利用した研修会の立ち上げをしました!

テーマは最近,名称変更で話題になったdiabetes(糖尿病)の疾患概説とリベルサスの症例報告です.ちなみに一生懸命にパワポを作っていたときはまだ糖尿病の名称だったので,講演も糖尿病表記でやります.

糖尿病という疾患の基礎の理解から,関連する検査値の読み方,その評価の仕方,評価した情報をどう薬物療法に反映させるのか,たくさんある治療薬の特色と使い分け,それぞれの使用においてフォローアップに必要な要点をまとめています.また実際の調剤業務のなかで,得た情報をどう活用するのかを分かりやすく解説します.

「研修会って知識は身につくけど,結局どう活かせばいいか分からないから自分の仕事は何も変わらんのよね」と思ったことはないですか?

この研修会は,単なる知識の羅列に終わらず,身につけた知識を「いかに日常の調剤業務に活かすか」に主軸を置いた研修内容にしてあります.

また,リベルサスの症例報告では,薬局で接する患者さんからどのように情報を引き出すのか,症例報告の形にするまでの過程も見せられればと思っています.学会で認定や専門薬剤師の資格を取る際にも,症例報告の提出が義務づけられているところが多いと思いますが,症例報告をする上で基本的に抑えるポイントも分かるような初学者向けの研修となっています.

研修会は2023年10月31日(火)の19:30~21:15です.
日本全国どこからでも,どなたでも視聴可能なので,ぜひ登録&視聴をお願いします!

ハロウィンの夜に,茨城で1番分かりやすい講演にしますので,たくさんの先生方にご視聴いただけたら嬉しいです.もちろん日本薬剤師研修センターの研修認定薬剤師取得/更新に使える研修単位つき(1単位:PECS申請済み)です!

zoom視聴登録はこちらから↓
https://us06web.zoom.us/webinar/register/WN_Tpkh-dcXQyiNgGev7lWulQ

また,茨城県薬剤師会HPの研修会開催情報にも開催案内がありますので,そこからも登録が可能です.
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↑開催日順に表示されています.10月31日の上記研修会の「ココをクリック」から視聴登録ができます.

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卒後6年目になりました.

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卒後6年目薬剤師の小林友稀です.

あっという間に2023年も4月を迎えて,薬剤師歴が丸5年になりました.

今までは圧倒的に経験が足りずに,知識はあっても経験が伴わずに失敗した判断も多かったと思います.

昔に比べると知識+経験でカバーできることが増えたようにも感じますが,薬剤師業務というのは得てして知らなければ自分が間違った判断をしていることに気づけないという性質のものが多いです.症例1つ1つを丁寧に振り返って学習することが大切だなと痛感しています.

丁寧な振り返りがしやすいよう,このブログに記録を残して検証するということをしっかり取り組む1年にしたいです.

また,5年目の年は薬局での仕事以外に,外部から講演の依頼が来たり,行政(県)の仕事に携わったり,看護学校の担当科目が増えたり,大学の講義を受けるようになったりなど,薬局の外にでて活動する機会も増えました.

自分を型に嵌めずに,活躍できる場があれば飛び込んで色々なことにチャレンジする姿勢はこれからも大切にして行こうと思います.
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介護支援専門員研修会の講師をしました.

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卒後4年目薬剤師の小林友稀です.

先日,介護支援専門員向けの研修会のご依頼をいただき,講話してきました.

薬剤師という職業ができること,介護連携のなかでの立ち位置,介護の現場での薬に関連する困りごと,独居の方の薬の管理,高齢者でよく使う薬や疾患の解説など,たくさんの内容を1時間半にわたってお話してきました.
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・アルツハイマー病の最新治療についての解説

普段の仕事の中でも,在宅業務の際にはケアマネさんに報告書を提出したり,実際に治療/介護方針についてディスカッションする機会もあるので,医療/介護連携の重要性はとても感じています.

しかしマクロの視点でみると,薬剤師という仕事の“見えにくさ”もあってか「薬剤師って何ができて,何をしてくれるのか?」と思われていることも多いと思います.

自己研鑽して,自信の臨床能力を高めることは大切ですが,それを実際に活用できる場がないと宝の持ち腐れになってしまいます.

ぼくらの後輩の世代が薬剤師として世にでてくるときに「なんだ,大学ではいろいろと学んできたのに,実際の現場では全然臨床的な仕事していないじゃないか」とがっかりされないような道筋を作るのが,ぼくたちの役目なのではないかなと思います.

そういった意味で,他職種と連携できるような機会は大切にしたいですし,お互いに専門分野で協力しあって,より良いキュア及びケアが患者さんに提供できるような社会にしていきたいと思います.

ちょっと大きな事を言ってしまいましたが,薬剤師の職能を100%発揮できるような社会にしていくのも大切な使命だと思っています.

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・たくさんの方に参加していただけました

今回の研修会では,オマケで用意した「スキンケア講座」が1番好評だったのは面白かったですが,そういった軽い内容から,ガチガチの深い医療の内容まで,幅広いご要望に対応できますので,いつでも講演会等のご依頼お待ちしております!

ご依頼のご相談は,下記メールアドレスまでお願いします.
y.kobayashi426[@]gmail.com(@の[]を外してください)

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4年目の挨拶

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卒後4年目薬剤師の小林友稀です.

2021年を迎えて早3ヶ月が過ぎました.
1月は「行く」2月は「逃げる」3月は「去る」なんて言いますが,本当にその通りで気づいたら桜が満開の4月を迎えていました.

年々はやくなっていく時間の流れに必死に着いていくので精一杯と感じています.

TikTok見ながら踊っている時も,YouTube見ながら笑っている時もいつだって平等に時は過ぎていきます.流れていく時間をどう使うかというのは大切なんだなと感じています.


卒後4年目のテーマとしては,学んできた知識を臨床に還元する1年にしたいと考えています.

もちろん並行して知識のインプットも行いますが,意識してアウトプットする事を大切にしていきたいと思います.

症例検討の内容をたくさんアップして,薬剤師が介入するメリットを皆さんに感じていただけたら嬉しいです.

そして毎年未達の目標ですが,なるべく間隔空かないように更新できれば...
患者さんの受診間隔にはしっかり目を光らせているんですが,自分のことになると途端に見えなくなるようです.
今年度こそは達成できるように頑張ります.

今年度もどうぞよろしくお願いいたします.
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メールアドレス:spgm@spgm-official.org

薬局で怒りを爆発させるCOVID-19疑い患者

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卒後3年目薬剤師の小林友稀です.

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)も第3波が猛威を奮っています.

 僕の勤務する薬局でも,発熱外来で抗原/抗体検査を行った患者さんや,PCR検査を行った患者さんの処方箋受け付け,投薬を行っています.
 投薬を行う薬剤師は,感染防護具(PPE)を身につけ,会計トレーや投薬時に使うカゴも専用のものを用意して対応しています.

 小さな薬局で,こういった準備を行なってCOVID-19患者や疑い患者の対応をするのはとても大変です.
 準備に時間を取られますし,毎回使い捨ての道具を使用して対応するのは,薬局の経済的にもスタッフの心理的にも大きな負担がかかります.


薬局がしっかり準備をしていても...
 中には近隣のクリニックから,発熱外来で診察した患者さんである旨,そして投薬時も注意してくださいと先に連絡をくれるところもあります.先に一報いただけるだけで,こちらも相応の準備ができるので非常にありがたいです.

 しかし,患者さんが「自分はコロナなんかじゃないのにこんな扱いしやがって!」「ちょっと熱があるだけで隔離された!差別だ!」とマスクもせずに薬局の中に平気で入ってきて病院への不満を爆発させることもあります.

 受付にいる事務さんは無防備ですし,知らずに処方箋を受け取る薬剤師も無防備のままとなってしまいます.待ち合いにいる他の患者さんの安全も確保できなくなるので,本当にやめて欲しいです.

 しかし,その患者さんも好き好んでCOVID-19になった訳でもないですし,好きで熱がでていて辛い訳ではありません.
 こちらとしてもそれは理解しているので,そういった危険な目にあってもなんとか踏ん張って日々,業務をこなしています.


薬局で怒りを爆発させる患者さん
 普段から薬局という場所は,患者さんから怒りの矛先を向けられることが多いです.病院や医師の前では大人しく我慢していても,薬局に来ると病院や医師への不満を爆発させてしまう方が多いです.それだけ薬局という場所は,患者さんが気持ちをオープンにできる環境を作れているんだな,と前向きに捉えて頑張っています.

 逆に「先生には話して無いんだけど...」と医師には話しづらかったことを,薬局で打ち明けてくれる患者さんも多いです.それが上手く薬物治療を進める鍵になったりすることも多いので,良くも悪くも薬局という場所が,患者さんの本音を引き出せる場所であることは大切なのかもしれません.

 普段であればイライラしている患者さんを前にすると,
 「ああ、この人は血糖降下薬を服用してるから低血糖気味なのかな」
 「この人はSzでこないだSSRIからアリピプラゾールに切り替えたから易怒性が増してるのかな」

 なんて考えるのが薬剤師ですが,COVID-19疑いの患者さんにストレートにイライラをぶつけられて,無防備でズカズカ薬局に入ってきては唾を飛ばして怒鳴るようなことをされると,「ああ,イライラしてるなこの人」としか思えなくなる瞬間があります.

 これはマズイです.冷静な判断ができなくなっています.

 薬剤師たるもの,いつでも冷静に目の前の患者さんの置かれている環境を理解して,怒っているのであればそのアンガーコントロールを行うのが...と,いくら偉い人からご高説賜れようが,こっちだって薬剤師である前に人間です.

 感染症流行下という特殊な環境でも,日々患者さんに寄り添う気持ちで献身的に働いているスタッフも何度も感染という面で危ない目にあったり,心ない罵声を浴びせられることが多ければ,精神的にも肉体的にも疲弊してしまいます....っていうか心が折れますよね.本当に.

 患者さんもストレス状態なのはわかりますが,それを薬局にぶつけても何も解決しません.薬局が何らかの理由で閉鎖せざるを得なくなると,薬物治療を受けられずに困るのは患者さんです.

 なんとかみんなで解決できる道はないものかと毎日模索していますが,なかなか良い案は思い浮かびません.やはり感染予防の考え方,感染症の一般的な知識の啓蒙が大切なのかなと思います.
 とはいえ,個人レベルで出来ることはそう多くないので,毎日粛々と感染予防に努めながら調剤に取り組むくらいしかできませんが,なんとか心を折らないようにスタッフ一丸となって頑張ろうと思います.

大変な時期はまだまだ続きそうですが,どうか皆様も気をつけてお過ごしください.
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お通じが通じない

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卒後3年目薬剤師の小林友稀です.

 日が暮れるのが早くなりましたね.
薬局の閉局時間が近づいてふと外を見ると,もうすでに真っ暗になっています.

 そんな暗闇を切り裂く煌々としたヘッドライトと共に,終わりがけの駆け込み患者さんの対応をするのも日常の1コマではないでしょうか.


薬剤師がみてるもの
 薬局では,薬の効果がしっかり出ているか,副作用は出ていないかを確認するために,患者さんから色々な情報をとります.

 会話の内容だけでなく,表情,投薬ブースまでの歩行姿勢,服装,受診間隔,採血結果,その他にもたくさんの挙動やデータをみています.


 例えば便秘薬を服用している方であれば,しっかり排便できているか,逆に下痢になっていないか,採血では電解質のバランスが崩れていないかなどを確認しています.

 便秘が酷くなり,糞便で腸閉塞を起こしたら大変ですし,便秘の原因が大腸癌だったりしたら,それも大変です.

 下痢になることで脱水が進めば,服用している薬剤の血中濃度が高くなって薬効が強く出たり,副作用のリスクが上がったりするかもしれません.

 そういった未来のリスクから患者さんを守るのが,薬剤師の仕事です.


排便状況の確認の仕方
 血圧なんかは聞きやすい項目ですが,排便状況はなかなか聞きづらいシーンがあります.

 ド直球に聞ければ苦労しないんですが,若い女性の患者さんだと聞きにくいですよね.

 ぼくは薬を指し示して「このお薬使っていて効果は感じていますか?効きすぎたりはしていないですか?」なんて聞いたりします.

 また「お通じ」という言い方もよく使います.しかし,この婉曲表現が通じないこともよくあります.

 80代後半の患者さんに
「お通じの調子どうですか?」
と聞いてもぽかーんとされたりします.

 ああ,お通じが通じない...

 どうしたもんかと思っていると,
「ああ、うんこのことな!出てる出てる!」
なんて大きな声で言われると,こちらが変に冷静な顔になったりします.

 限られた時間で必要な情報を聴取するのは薬局外来の難しさです.
 しかし薬剤師の技量が最も出るところでもあるので,楽しい時間でもあります.

 目の前の患者さんにあった質問の仕方を学んで,効率よく,患者さんの気分を損ねずに情報収集ができたらいいなあと思います.

 件の80代の患者さんには,これからも元気に
「(うんこ)でてる?!」
って聞いていきたいと思います.
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もうすぐ1,000日

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卒後3年目薬剤師の小林友稀です.

前回の更新から,あっという間に1ヶ月が経ってしまいました.

しばらく症例検討系の記事が続いたので,すこし日常の話もしようと思います.


薬剤師になって働き始めて,もうすぐ1,000日が経ちます.

1,000日を長いと感じるか,短いと感じるかは人それぞれだと思いますが,1日1日を学びのある日々にしようと取り組んできたぼくにとっては長いようで短く感じます.

薬剤師になってから1,000個分の学びを身につけたかと聞かれると自信を持って頷けない自分もいますが,少しずつでも着実に知識も経験も身につけてきたぞ!という自負はあります.

ゲーテも「星の如く急がず,しかも休まず」と言っていますが,勉強を長く続けるにはそういった姿勢が大切なんだろうなと思います.


もう1つは,目的を持って勉強することが大切かと思います.
こうなりたいというブレない理想があれば,そこに向けて必要なことを少しずつやれば良いわけですから.

薬を使って病気を治す,という事はとてもすごいことだと思いませんか?
何もしなければ死んでしまう人が,ラムネ1粒より小さい薬を飲んでいれば助かるなんて,神秘的ですらあります.

「薬(クスリ)というのは逆から読むと“リスク”になるんだよ」なんて分かったような分からないような説明を学生時代にされた記憶がありますが,臨床に出てみると薬の偉大さと,その裏側に如何にリスクが潜んでいるかを身に染みて感じます.

そんな作用/副作用のバランスを上手くとりながら,さまざまな医療職と連携して,患者さんの薬物治療を総合的に支える薬剤師という職に,ぼくはとても魅力を感じています.

現在使われている約20,000種類もの薬剤を理解して,それぞれの組み合わせや病態との関連を考えながら,患者さんの処方内容を監査して問題が出ないように調整していく.

これは数ある医療職のなかでも,薬剤師にしかできないことです.

そういったとこにアイデンティティーを持って,日々仕事をしているわけですがかなりの頻度で時々,理想と現実のギャップに悩まされたりもします.

そこで何もできないやと諦めてしまうか,それでも何とかしてあげたいと思うかは人それぞれでしょうが,ぼくは何とかしてあげたいという気持ちが勝ってしまいます.

世の中には本当に勉強熱心で優秀な薬剤師がたくさんいるのに,さまざまな制度のせいで十分にその力を発揮できないどころか,その熱意さえも奪ってしまう現実をみると悲しくなります.

やる気に満ち溢れた薬剤師が,その能力を発揮できずに打ちのめされてしまうのは日本の医療界においてかなりの損失だと思っています.

ぼくも心の弱い人間なので,打ちのめされることは多々ありますが,同時に図太い人間なので,わりとすぐに立ち直ります.

少しでも,熱意ある薬剤師がその熱意を正しく発揮する場を潰されないように,適切に活躍できる場を広げられるように,これからも小さいながらも声を上げ続けようと思っています.

星の如く急がず,しかも休まずに!

お前,1ヶ月もブログ休んでなに言ってんのや,というツッコミは止めて下さい.
打ちのめされてしまいます.

でも,ちゃんと立ち直って,これからもこのブログで発信していこうと思います☆
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世界一潤沢に薬剤師がいる国で、なぜ薬剤師不足が起こるのか

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卒後2年目薬剤師の小林友稀です.

またしばらく更新が空いてしまいました.

いろいろと良縁に恵まれて,Rotary Clubの若手組織であるRotaract Clubに入らせて頂きました.

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薬剤師としての活動はもちろん,Rotaractの一員としても社会奉仕活動をしていけたらと思います.


今日は「世界一潤沢に薬剤師がいる国で、なぜ薬剤師不足が起こるのか」という日経DIのInside Outsideの記事からです.

ぜひ記事の内容をご覧いただきたいのですが,本当に薬剤師不足問題は深刻です.

一見,相反する「余剰人員」「人員不足」同時発生する問題は,薬剤師業界だけではないのです.

AIなど新たな技術革新が盛んなIT業界でも,新しい技術についていけず,55万人の人員不足と10万人の余剰人員が同時発生しているようです.

この問題についてIT業界では「労働者の再教育プログラム」を充実させることで対応しようとしています.

われわれ薬剤師業界に目を向けると,いわゆる計数・計量調剤といった対物業務に固執した古い考えの薬剤師や,疑義照会や処方提案に消極的な薬剤師が多かったりと,やはり新しい薬剤師業務についていけない薬剤師が多いのも事実です.


高校まで同じように数学や物理,化学を学んできた人たちが,それぞれ薬学部や医学部へ進学して,薬剤師,医師になる事から分かるように,薬剤師を薬剤師たらしめる専門性は大学教育の中にあります.

臨床教育を受けていない薬剤師にいきなり臨床にシフトしろと言ったところで現場は変わるはずがありません.

この業界にも「薬剤師の再教育」の場が絶対に必要ですが,それよりもまず意識を変えるだけで変わる事はたくさんあると思います.

いくら臨床教育を受けていないとは言え,薬剤師免許を取れるほど優秀な人であれば,意識1つ変えるだけで自ずと行動も変わり,必要な勉強をし始めるのではないかと思います.

薬剤師の仕事は何かと問われれば「患者の薬物治療に問題がないかを確認し、問題があれば介入して解決する役割であり、患者の薬物治療に責任を持つことだ。」と記事中にありますが,臨床にいる全薬剤師が共通してこの認識を持つことができたら,それだけでたくさんの事が変わっていくと思います.

私がさまざまな薬剤師と接していて,最も足りないなと思うのは「自分で判断する力」です.

長らく医師中心どころか,患者さえ置き去りにして医師のみで医療を行っていた時代の弊害か,薬剤師が治療に介入することに抵抗感を覚えている薬剤師が多いのではないでしょうか.

しかしそんな中でも,近年の諸先輩方の懸命な努力のおかげで治療に介入していく薬剤師も増えてきたことも同時に感じています.

残念なのは,治療介入しようとしない薬剤師だけでなく,治療介入する薬剤師のなかにも「最終的に決めるのは医師でしょ」という考えをもつ方がいることです.

医師法22条の処方箋交付義務と薬剤師法24条の疑義照会義務(監査権)を考えれば分かる事ですが,より後に判断をするのは薬剤師です.薬剤師が通せばその治療は患者に行われますし,薬剤師が通さないと決めたら患者はその薬物治療を受けないということになります.

きっと「そんなの現実的じゃない」と思われる方が多いでしょうが,私が言いたいのは「治療の決定権と責任は間違いなく薬剤師にある」という事です.

つまり,その治療内容で良いのか,ダメなのか,ダメだとしたら最適な治療薬は何なのかを決める力が薬剤師には不可欠だということです.

よく疑義照会で聞くフレーズに「〇〇はこういう理由で不適切だと思うのですが,それでよろしいですか」「〇〇は使えないですが,どうしましょうか」というニュアンスの疑義があります.

薬剤師であり社会人として,相手へのマナーとして直接的な表現を避けているのかなとも当初は思っていたのですが,どうもそうじゃなく,本当に医師に判断をゆだねている薬剤師がいるんだなとびっくりしました.

不適切なものを通すのは疑義照会義務違反ですし,「どうしましょうか」ではなく「こうしましょう」と提案するのが正しい疑義照会です.

この辺りも,薬剤師が自分で判断しようとしない,判断してはいけないと思っている思考が透けて見えます.

まずはこの思考を捨てて,しっかり目の前の患者さんに向き合って,治療に責任を持つという意識をもつことが,薬剤師の再教育の第一歩だと私は思います.

最初の一歩は本当に小さな一歩です.

他人任せにせず,しっかりと自分の責任で薬物治療を患者さんに届ける意識をもつだけ.

たったこれだけの事です.

そこから必要に応じてさまざまな勉強が必要になりますが,それはその時々に合わせて一つずつこなしていけばいいのです.

私が患者の立場だったら,治療内容に介入もせず責任も負おうとせずに薬だけ渡していたり,数を間違えない事や種類を間違えないことだけに力を注いでいる薬剤師なんかに症状を話そうなんて思いませんからね.

そう遠くない未来に「え,血液検査の結果なんて薬剤師に見せるの?」と驚かれたり,「なんで薬剤師に症状なんか話さなきゃいけないんだ.もう医者に全部言ってあるわ」と言われたり,「急いでるから早く薬だけ渡して」なんて言われない日が来ることを願って,努力し続けます.
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バイタルサイン講習会を開催しました

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卒後2年目薬剤師の小林友稀です.

5/12にバイタルサイン講習会を開催しました!

講習会を開催すると決めてから,プレゼンする全てのスライド,実技指導の細部に至るまで,参加していただいた全員の方が「バイタルを取れるようになる」「薬剤師がバイタル・フィジカルアセスメントをどう活かしていくか理解できる」ようになることを目標に準備に準備を重ねてきました.

実施後のアンケートでは,ほとんどの参加者の方に「大変よく理解できた」とのご評価を頂き,また「今までたくさんの講習会で勉強してきましたが,今日の小林先生の講習が1番分かりやすいです!」と言っていただけたり,実りのある講習会となったようで嬉しく思います.

今後も定期的に講習会を開催し,そのたびに最新かつ信頼できる情報を取り入れ,常に最先端の医療が提供できる薬剤師になれるような講習会にしたいと思います.

当日ご参加いただいた皆様,サポートして頂いた先生方,本当にありがとうございました!
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